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mitone design (ミトネデザイン)~前編~
馬路村にサテライトオフィスが誕生!
令和4年6月から、パンフレット制作やWebデザインなどを行うブランディングデザイン事務所、mitone design(ミトネデザイン)の拠点として、活用が新たにはじまりました。
mitone design は、大阪に拠点を置く株式会社ユニオンネットのサテライトオフィスとして始動した事務所であり、馬路村の新たな仕事の形として、今後の活躍が期待されます。
株式会社ユニオンネット
ミトネデザイン
代表の丸山さんにお話を伺いました。
馬路村にサテライトオフィスを作るきっかけや村の印象、丸山さんの人となりや、会社への想い、スタッフを大切に想う気持ちなど、、、
清流安田川の目の前のバンガローオフィスでたっぷりお話を伺うことができました。山﨑も楽しすぎてついつい長居をしてしまいました。
山﨑
ユニオンネットCEOになるまでの流れを教えてください!
丸山さん
ユニオンネットへ2010年に入社して、最初はデザイナーとして働いていました。 その前は結構小さな制作会社で働いていて、ユニオンネットへは「マネジメントがしたい」という気持ちで入社しました。ただ、当時のユニオンネットは業績があまり良くない状態でした。普通入社して間もない会社の業績が良くないと不安を抱くと思うのですが、僕の場合は「もっとよくできそうなのになー」とどこか他人事でもあり、楽観視もしていました。 改革と言えば大げさですが、僕と今の役員ともう一人、その3人で約2年近くかけて、会社の体制を変えていきました。代表になるまでの流れで言えば、この体制が変わった辺りから、自分が社内の中心になることが多くなりました。
先代もちょうどその頃、友人の会社から「上場に向けて事業を手伝って欲しい」と誘われていました。その時は創業10年を超えていて、恐らく葛藤していた事と思います。上場に携われるチャンスはそう巡ってくるものではないので、やってみたい。ただ、ユニオンネットを手放すのか、売るのか、誰かに引き継ぐのか、で悩んでいたようです。そこで僕に声がかかりました。
「お前、やってみない?」と。
ただ、その時僕は会社を辞める気でした。
自分のやりたいことができる事に魅力を感じていましたが、「ユニオンネットが好き」と呼べるほどではありませんでした。 また、その頃から、デザイナーとしても「何を作るかよりも、どう届けるか」を重要視し始めていました。
どんなにいいもの作っても見られないと気づいてもらえない。それでメーカーへ転職し、広報やPRをやってみたいと考えていました。
転職するのか、事業承継するのか、、、心のゆらぎを正直今ではあまり覚えてないのですが、広報やPRは結局経営にかなり近い位置関係にあるので、それならもういっそ引き受けてしまった方が即実践できると思い、事業承継の話を引き受けました。雇われ社長ではなく、株式の譲渡もあれば会社の借り入れ(連帯保証)も年商近くありましたが、割と早い返事だったと思います。
一応、妻にも確認は取りました。まだ子供が2ヶ月だったので、、、
代表になった流れは、勢いのような感じがあります。財務状況についてもかなり大まかにしか理解していなかったので、実際は事業承継してから「あれ?結構思ったよりやばいな・・・」と感じたこともあります。
山﨑
ユニオンネットのCEOに就任してみてどうでしたか?
丸山さん
就任は2017年なので、僕が32歳の時です。
社員は元々35人ぐらいで居て、僕に代わるタイミングで半分の18人ぐらいまで減りました。決して経営状況が良くなかったことがあり、当然だと思います。僕が働く側ならこのタイミングで退職するでしょう。ただ、事業承継の時は1人1人と面談をしていきました。
「正直、経営はやったことが無いし、財務のこともよく分からないので、いつどうなるかも分からない。見限るのであれば止めはしないし、反対に残るのではあればそれなりの覚悟はして欲しい。」
と、少し強めの話をすると、1人、また1人、
あれ?ちょっと減りすぎたな、やばいな・・・と想定外の事もありましたが、再スタートした実感はありました。今約5年経ち、ようやく当時と同じ社員数になりました。
というか、この事業承継の話はかなり久しぶりに話しました。会社を引き継いだ当初は、2代目社長ブランディングをしていたんですが、ここ最近は聞かれても言わない事が多いですね。
山﨑
出身はどちらですか?また、現在のお住まいは?
丸山さん
出身は、香川県です。今は、兵庫県で家族と住んでいます。兵庫県の川西市です。キングコングの西野さんの出身地です!
宝塚と箕面というおしゃれなところに挟まれた細長い田舎です。すごく雰囲気があって、どこからも山が見えて、地元の香川や四国に何処と無く似ています。
山﨑
趣味は?
丸山さん
最近家を建てたので、芝刈りですかね。庭に小さい池があるのですが、そこでメダカ見るとか、、、趣味はマイホームライフですね。
田舎生活やアウトドアなど、外で身体を動かすのは嫌いじゃないです。普段がデスクワークなので勘違いされやすいですが、汗かく仕事や肉体労働も結構好きです。この業界に入る前は車のコーティングをしていた時もありました。
あまり理解されないですが、車の中でカップ麺食べるとか・・・割と好きです。
山﨑
月に1回くらい馬路村来られると聞きましたが、来た時にやりたいことは?
丸山さん
できることは全部やりたいです。川遊びとか、SUPとか、釣りとか。シンプルにこの地域に根付きたいです。大阪の企業が馬路村の知名度を利用して変に目立とうとしているとは思われたくないですね。
この地域が好きで拠点を出したというシンプルな理由なので。
山﨑
馬路村にサテライトオフィスのお話があったきっかけは?
丸山さん
大阪で働いていたスタッフが魚梁瀬出身で、親御さんが馬路村役場の職員さんだったんです。その紹介で馬路村の観光サイトの相談を受けました。
地域の仕事だというのもあり、スタッフ数名で馬路村に来て、観光サイトの話をして、そこがはじまりです。地域貢献や地域創生については当時村長にも軽く聞いてみたのですが、その時はあんまり反応が得られなかったので知り合いのグランピングを誘致している人を紹介したり、定期的に情報交換をしていたら、反対に村の方から「サテライトオフィスはどうでしょう?」と、お話がありました。
「とりあえず、候補になりそうな施設を見に行きます!」
という事で1日かけて村の空き家とか拠点を見て回って、最後に村長のところに行ったら、「バンガローがいいのでは?」と。
サテライトオフィスについては、ちょうど時代の流れもありました。コロナになって、僕らの業界は働き方が加速しました。いわゆる「どこでも誰とも仕事ができる」ということです。ただ、これを「5年10年続ける」のは割と難しく厳しいだろうな、というのが業界の中からの意見です。それなりの実力がないと厳しいなと。
教育環境がきちんと整った拠点が地方にもっとあれば、地方のレベルが上がるし全体も上がる、人も増えるし、もっと良くなるよね、そんな感覚はずっとありました。
馬路村のサテライトオフィスは割とそんな拠点を目指しています。
山﨑
ミトネデザインの名前の由来は?
丸山さん
ミトネの意味は「実と根」です。
「実」は愛着が実る、「根」は社会に根付く、そんなものづくりをしたいという願いを込めてます。デザインの仕事は作ることに目が向きすぎると「完成したら終わり」になることが多いです。完成後に活用されない事が割と多いんですよね。その大きな原因の1つに、これをもっと日常使いしたいみたいな、愛着が芽生えないと難しいと思うんです。
これは余談ですが、初めはミトネデザインではなく漢字で「実と根」で考えていました。ただ、それだとカフェっぽいし、認知がないうちは、やっぱりデザインとかつけた方が会社名らしくていいかなと思い、“mitone design”とつけました。
山﨑
カフェに間違えられません?
丸山さん
時々、観光客らしい方が覗いてくれます。でもそんな時に限ってみんなでご飯食べたりして、申し訳ない気持ちになります。それなら、コーヒー出したり、グッズを売ったりしていこうかなと考えています。濱﨑くんが馬路村の写真を撮ってハンカチにして売るのもいいなー、と考えたりもしています。
後編では、丸山さんとミトネデザインのスタッフのお2人にお話を伺いました。
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